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星海社文庫:Fate/Zero/虚淵玄


1.第四次聖杯戦争秘話
2.英霊参集
3.王たちの狂宴
4.散りゆく者たち
5.闇の胎動
6.煉獄の炎

answer.――― 76 点

―――流石、虚淵玄!と思わず膝を叩いて本シリーズにおける圧巻の仕事っぷりを激賞したくなったのは何も私だけではあるまい。本作はライトノベル界の三大犯罪者・奈須きのこがシナリオを担当したヴィジュアルノベル『Fate/stay night』の10年前を描いたスピンオフ作品。奈須きのこが用意した設定を虚淵が引き継ぐ形で―――と言うものながら、兎角に虚淵玄を激賞するために確認の意味で大前提を明らかにさせて頂くが、奈須きのこが用意した設定がそもそも圧倒的に面白くない事実。そう、いい加減、奈須信者は目を覚まそう。君の周りで一番くだらない人間が、本作の設定をとうとうと語ってみたとして、君は本当にそれを面白いと思えるか?何でも願いを叶えてくれる聖杯を巡り、日本の地方都市(限定)で七組の魔術師とその使い魔が毎度争う!使い魔は過去の(こじつけ気味な)英霊たちで、とりあえず、アーチャー、アサシン、キャスター、セイバー、バーサーカー、ライダー、ランサーなど(無理矢理区切った)属性からしてダサい。『月姫』に影響されてナイフとか買っちゃう信者(ども)から『Fate/stay night』の設定を発売前に嬉々として聞かされたとき、……え?信じられないくらいつまらなそうなんだけど、お前(ら)が創ったの?と真顔で訊いた俺が異端視されたのは未だ腑に落ちない。仮にこんなものを渡されて「さあ、料理してみろ!」なんて得意気に言われたら、アイアンシェフの俺でも匙どころか包丁投げて『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』に旅立つわ。戻って、巷で指摘される通り、本作は脇役であるはずの「凡人」ウェイバー・ベルベットと「傑物」ライダーの物語。上記の救いようのないトンデモ設定を【使い魔の強弱の話】から【術者の才能の話】へと見事に昇華し、スピンオフ作品として理想的な未来(本編)へ希望託すバッドエンドへと導いた。ヴィジュアルノベルが元にある作品らしく主軸は戦闘描写に置かれているなかで、内なる葛藤―――術者の才能へのコンプレックスに焦点を絞っているのは00年代らしいアレンジ。もっとも、ヴァルハラ出身の虚淵玄でさえダサさを隠しきれなかったUFOとジェット戦闘機のバトル等、目に余るトンデモ設定によるトンデモ災難は無神論者の私には辟易したが、虚淵玄のドーピング気味の文章力で(まったく誤魔化し切れてないけど)誤魔化せているようなので、特に言及するのは控えようと思う。虚淵玄(が)、スゲーな。と感心するシリーズ。全6巻、合わせてのレヴューです。

星海社文庫:Fate/Zero/虚淵玄 (2011)

category: あ行の作家

tag: OPEN 70点 虚淵玄

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コメント

アニメを見ていたので思わず購入したもののアニメを見終わり、積み上げたままになっています。はやく読まないといけないのにその隣にニンジャスレイヤ―がいる。どうしよう。

西由記 #- | URL | 2013/03/01 22:32 | edit

Re: 西由記

コメント、有難うございます!

> アニメを見ていたので思わず購入したもののアニメを見終わり、積み上げたままになっています。はやく読まないといけないのにその隣にニンジャスレイヤ―がいる。どうしよう。

ニンジャスレイヤ―!噂こそ耳にしていましたが、近くで読み手がアラワレター(笑)!でも、変な書き方ですが、私の酷評気味なレヴューにも関わらず、76点と満足ラインを超えたシリーズなので、ナンダカンダで面白かったです。本当に虚淵が凄いって思いました。どちらも西由記さんならば楽しめるかと思われます!

Medeski #- | URL | 2013/03/01 23:37 | edit

こんばんわ。
復活してたんだ~。
また、ちょくちょく訪れます。
「ノルウェイの森」の前に、村上春樹の
「風の歌を聴け」(?)などの、
初期作品を読んでいた事が、
僕の自慢です。

新サスケ #- | URL | 2013/03/02 22:20 | edit

Re: 新サスケ

コメント、有難うございます!

> 復活してたんだ~。
> また、ちょくちょく訪れます。

いやー完全復活を期す予定だったのですが、また予定外の予定が入ってしまったので、更新頻度は少なそうです。

> 「ノルウェイの森」の前に、村上春樹の
> 「風の歌を聴け」(?)などの、
> 初期作品を読んでいた事が、
> 僕の自慢です。

さすが文芸人!実際、村上春樹って初期作品から世間に受け入れられていた人だったんですかね?羊をめぐる冒険あたりが人気を博すのは分かるのですが、次の「世界の終りと~」がキャッチーとはイマイチ信じられないんですよね。ノルウェイで爆発したのは分かるのですが、その爆発の下地がいつからなのか、さすがに当時代から生きていないと分からないので興味があります。

Medeski #- | URL | 2013/03/03 16:43 | edit

「世界の~」

村上春樹の「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」は、幻想的で良かったですよ。初期の名作です。
「羊もの」が、ぼくにはよくわからなかった。
中期の(?)名作は、「ねじまき鳥クロニクル」ですね。
オウム事件取材後の作品は、まだ不安定で…。
4月には、新作小説が出るので、楽しみで…。
単行本新刊を買うのは、村上春樹の小説のみです。

新サスケ #- | URL | 2013/03/04 19:41 | edit

Re: 新サスケ

返信コメント、有難うございます!

> 村上春樹の「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」は、幻想的で良かったですよ。初期の名作です。

今、そのレヴューをちょいちょい書いているのですが、もしかしたら新サスケさんからすると、これだから小市民は!と一喝されるかもしれないと思うと、戦々恐々です。まあ、悪いことを言っているつもりはないのですが。

> 中期の(?)名作は、「ねじまき鳥クロニクル」ですね。

実際、初めて読んだのはこの作品だった気がします。女の子に薦められて、へーほーはーひーと読んで、一作目から読みました。ところどころ難がありますが、普通に面白かった記憶があります。

> 単行本新刊を買うのは、村上春樹の小説のみです。

おお、新サスケさん、お若いですね。村上春樹の作品を読むと、主人公が老成していないので賛否が分かれていますが、私は若くいられることも才能だと思っているので肯定しています。

Medeski #- | URL | 2013/03/04 20:41 | edit
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