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電撃文庫:毒吐姫と星の石/紅玉いづき

毒吐き姫と星の石
1.捨て子のエルザ
2.言無姫の輿入れ
3.晩餐と杯
4.さよなら王子様
5.ヴィオンの毒吐き
6.落城の夜
7.裸足の福音
8.星と神の運命において

answer.――― 75 点

文化に携わるかぎりは自らの役割を弁え、どんな形であれ、その文化を先代より、あるいは次代へと【継承】しなければならない―――それがその文化における当代に課せられた義務である。しかし、そんな義務にかまけて忘れてはならないのが【挑戦】。本作は電撃文庫のファンタジスタ・紅玉いづきのデビュー作であり、第13回電撃小説大賞<大賞>受賞作『ミミズクと夜の王』、待望の続編!と言っても、肝心のミミズクは後半にふらりと顔を見せる程度で、この続編では前作での脇役・レッドアークの王子様が前面に押し出される。本作の主役は表題の通り、毒吐姫ことエルザ・ヴィオンティーヌ。王女でありながら生まれて間もなくスラム街へと捨てられたお姫様。物語はこのお姫様が再び王族として隣国へと嫁がされることから幕を開ける。さて、何と言っても見所は《毒吐き》と制約を課し、機微に富まねばならぬ罵詈雑言へ【挑戦】する紅玉いづきの作家としての意気込みである。結論から言ってしまえば、この【挑戦】は志半ば……といった進捗で、万人が《毒吐き》と認められるレベルには必ずしも達せてはいない。しかし、【挑戦】はすることに意義があり、特に文化においては【挑戦】に結果は問われるべきではない。故に、紅玉いづきのこの【挑戦】は称えられて然るべきものだ。置いて、そこを省いても、占い根付く国家演出、クーデター、草食男子&肉食女子な告白ありのストーリーメイクは安心の及第点。「!」多用するエルザの激情に頼り、中盤の平易平坦な展開はマイナスながら、続編という貯金を上手く活用出来ている。もっとも言い方を変えれば、続編という甘えがある。聖騎士、剣の巫女、ミミズクは本作初見の読者においては、ミザリー(←さて、既読の方は分かるかな?)と価値的には何ら変わらない。このギャップを著者自身が理解出来ているかが気になるところ。本作は表題通り、毒吐姫のどこまでもワンマンな物語。それでも、一定の満足感を与えてくれる辺りは流石です。とりあえず、ナイス【挑戦】!誉めて遣わす、このMedeskiから《天位》をくれてやろう!

電撃文庫:毒吐姫と星の石/紅玉いづき (2010)

category: か行の作家

tag: OPEN 70点 紅玉いづき

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コメント

読まれましたか!

バッサリいかれましたね!

私は、現在ガーデン・ロスト読んでますが、なんかダルイです。
ガーデン・ロストのあとに出た小説であることを考えると、紅玉いづき復活!と言っていいような気がします(^^)

無様な愚か者 #- | URL | 2013/03/06 17:56 | edit

Re: 無様な愚か者

コメント、有難うございます!

> バッサリいかれましたね!

いやいや、結構誉めてるつもりですよ、これ!楽しめましたし。実際、デビュー作を静とすると、まさしく紅玉いづき流の動の文体とでも云える荒々しさがあって好感を抱きました。ええぞええぞ、と喜んだ次第です。

> 私は、現在ガーデン・ロスト読んでますが、なんかダルイです。
> ガーデン・ロストのあとに出た小説であることを考えると、紅玉いづき復活!と言っていいような気がします(^^)

まさしく。ガーデン・ロストはまだ習作って感じでしたね。ところどころに色は感じられたのですが、如何せん、背伸びしている感―――というよりも、ファンタジーを欠いたことで、エンターテイメント性の低さが出てしまっていました。

Medeski #- | URL | 2013/03/06 18:13 | edit

本のレビューを臭い文面で書き散らすのも著者を扱き下ろすのも勝手だけど後者は腹立つわ

ナマクラ6号 #- | URL | 2013/03/12 08:03 | edit

Re: ナマクラ6号

コメント、有難うございます!

> 本のレビューを臭い文面で書き散らす

お誉めを授かり、光栄至極!臭い文面が書けないので、その臭いを感じて頂けたなら私の筆が00年代仕様になった証拠ですね。ただ、未だに良い臭さと悪い臭さの区別がつかないのが悩みどころです..._φ(・ω・` )JOKER、チンチン、マンマン

>著者を扱き下ろす

私が扱き下ろしているのは有川浩と「植物図鑑」「キケン」くらいです。これはファン以外から非難を浴びても仕方が無いですが、それ以外は、特段扱き下ろしておりません。読解能力の問題だと思われます。このレヴューで云うなら、天位授けてますしφ(・ω・` )凄いんだよ、天位。

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Medeski #- | URL | 2013/04/08 01:28 | edit
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