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第4回GA文庫大賞 奨励賞:空に欠けた旋律<メロディ>/葉月双

空に欠けた旋律
(あらすじ)
百年以上前から泥沼の戦争が続く世界。レイは単騎で敵を撃墜し続ける銀色の魔女、クッキィに恋をした。彼女への憧れから士官学校を卒業後、パイロットとしてクッキィのいる基地へとやってきたレイ。配属早々の戦闘のさなか、敵軍のエースに撃墜されたクッキィを救うため、レイは戦線を離脱する。ところが戦域から離れた場所で、死を望んでいるかのようなクッキィの言動に、思わず告白してしまう。

answer.――― 55 点

駒都えーじのイラストで手に取った、という話が散見される本作は、端的に言ってしまえば、幕下による横綱相撲を真似た失敗作。ストーリーラインはあらすじの通り、泥沼続く戦争でメロディなる呼称のロボットに乗り、やはり終わることのない戦いを続ける青年たちを描く。概してロボットを題材に扱う輩にはヒロイックな悲劇嗜好があるものだが、この著者も例に違わず、登場人物たちにバンザイを強いる。悲劇を取り扱う際に留意しなければならないのは《自分に酔わないこと》。自らの手で登場人物が死ぬ、あるいは殺す、苦しみ、悶える……それは他者の自由を奪い、己へ万能感をもたらす作家の本懐とも云えるが、故に読み手を置いての一人相撲になりがちになる。本作では冒頭から、何て哀しい!何て虚しい!何て悲劇!と登場人物が台詞で半ば言ってしまう完全な一人相撲を展開し、頁をめくる度にうすら寒さ覚える自慰倒錯の仕上がりとなっている。先にこれはネタバレになってしまうが、販促の上ではプラスに働くと考え、打ち明けさせて貰えば、本作は百合小説。そして、それが著者の一人相撲の中で理性を唯一感じることが出来る本作最大の仕掛けとなっている。つまり、主人公のシコシコは実はグチョグチョであり、読みようによっては……まとめると、読む時間が勿体無い作品。ただ、ロボット作品を描く際は、反面教師な作品として一読するのも良いかもしれない。文章はやや背伸びしている印象。とりあえず、著者は自分の「鑑」を見つけないとな。何で売れなかったのか、本人、未だに分からんべ?

第4回GA文庫大賞 奨励賞:空に欠けた旋律<メロディ>/葉月双

category: は行の作家

tag: GA文庫大賞奨励賞 OPEN 50点 葉月双

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