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新潮社:小澤征爾さんと、音楽について話をする/村上春樹

小澤征爾さんと、音楽について話をする
(あらすじ)
指揮者はタクトを振るように語り、小説家は心の響きを聴くように書きとめる。「俺これまで、こういう話をきちんとしたことなかったねえ」。ベートーヴェン・ピアノ協奏曲第三番、復活のカーネギー・ホール、六〇年代の軌跡、そして次代の演奏家達へ。「良き音楽」を求め耳を澄ませる小説家に、マエストロは率直に自らの言葉を語った。東京・ハワイ・スイスで、村上春樹が問い、書き起こした、一年に及ぶロング・インタビュー。

answer.――― 75 点

小澤征爾と村上春樹、“世界の”を冠する日本を代表する二人が居間にテープレコーダーを置いて、音楽を聴きながら、腹が減ればモグモグしながら語り合い、そうして、文字に興して出版すれば、きっと売れちゃう!で、出版してみたら本当に売れちゃったm9(春^Д^樹)プギャー!という本作。そんなm9(春^Д^樹)プギャー!は既定路線にもこの春にCD化と相成り、―――なんと!た、たった¥3000でユニバーサル・ミュージックより「『小澤征爾さんと、音楽について話をする』で聴いたクラシック」なんてストレートに題されてリリース!!とパワーコードを掻き鳴らす感じで揶揄させて頂いたが、個人的に定価¥1680は値段的に「買い」と言えないまでも、評価の通り、¥150は出しても良いくらいに興味深く読めた一冊。本作の本線は、小澤征爾が関わる録音当時の思い出を語るというもの。音楽の内容そのものよりも、その録音背景を語るところが裏話的で面白い。そういう意味ではゴシップな面が強く、小澤征爾の名で手に取った方々にとってはともすると俗で、聞き手である村上春樹に不満を向けるのも致し方ない印象。そう、本作はやはり村上春樹が主役であり、彼が本作冒頭で「マエストロの言葉を誰かが残すべき!それはボクしかいない!」と書いた使命感はやはり建前で、自分の知りたいことに掴みに行く行間こそ必読である。“世界の”村上春樹が“世界の” 小澤征爾から知りたかったこと、それはすなわち、―――文章も音楽も「同じ」はず(!)である。これが面白い。「音楽」を介している安心感からか、無防備なまでに己の筆、創作の「感覚」を語っていく“マエストロ”村上春樹。(注釈されていないが)おそらくジェスチャーを交えながら、「垂直」なり「リズム」なりの己の抽象的な創作論を語ったことだろう。書き手による己の筆の感覚を語る本が果たしてあるだろうか? 否、無い。故に、貴重な一作。もちろん、専門的な部分を望まなければ、音楽本としても楽しめる。村上春樹はいわゆるレコードマニアで、適度に譜面を読める程度には精通しているため、聴き専門、クラシック初心者には実際、どんな音楽なのか聴きたくなる紹介をする。図書館にあるならば借りて読んで損は無いだろう。楽しめました。

新潮社:小澤征爾さんと、音楽について話をする/村上春樹 (2011)

category: ま行の作家

tag: OPEN 村上春樹 70点

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