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第15回電撃小説大賞 金賞:パララバ -Parallel lovers-/静月遠火

パララバ
1.プロローグ
2.その日 その時
3.その場所で
4.君に
5.であえなかった
6.ぼくらは
7.いつまでも
8.エピローグ

answer.――― 62 点

高畑‘第1回’京一郎への憧れをつづったあとがきからも分かるように、本作は名作『タイム・リープ あしたはきのう』とジャンルを共するSFミステリー。副題にある通り、パラレルワールドをモチーフにしている。あらすじとしては、事故死した恋人の通夜の晩、一本の電話が掛かってくる―――その相手は死んだはずの恋人、それだけで戸惑っているところに告げられたのは、「綾、死んだのはお前なんだ」というストーリー。この出だしに、おおっと!となる期待の鼓動は、頁が進む度に収まっていく。何が悪いのかと云えば諸々あるのだが、一番は何が謎なのか読者に分からないこと。もしくは、主人公たちが迫っていく謎に興味が湧かないことだ。プロローグの時点から、読者に何を期待させたいのかが著者自身、定まっていなかった感がある。安易に誉めたくないが、その点で憧れの高畑‘H2O’京一郎先生は巧みだ。あの手この手で好奇心をくすぐってくれる。「綾、死んだのはお前なんだ」、この台詞から読者が期待してしまったものは何か?章タイトルを繋げて、ひとつの文章にしている場合じゃないでしょうよ(ちなみに、プロローグとエピローグにはそれぞれ<あるいはおわり あるいははじまり>、<そしておわり あるいははじまり>という言葉が添えられている)。文章は整っていて読みやすい。期待し過ぎなければ、そこそこに楽しめる内容ではある。

第15回電撃小説大賞 金賞:パララバ -Parallel lovers-/静月遠火

category: さ行の作家

tag: 電撃小説大賞金賞 OPEN 60点 静月遠火

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コメント

出だしにぐいぐい引っ張られたのは僕も同じです。ようやく受賞作にこのジャンルが戻ってきたか!とワクワクしたのを覚えています。

事件の真相に現実味を感じられなかったのが、巡り巡って「謎」をきっちり把握しきれなかったことにつながるんじゃないのかなぁと。
頭をすっきりさせて、それこそ来るかもしれない重い展開を念頭に置かずに読めたら、それが多分ベストな読み方になるんだろうなぁと思いました。

ask #- | URL | 2011/12/11 21:46 | edit

Re: ask

コメント、有難うございます!

本作、askさん好みの作品っぽいですよね。私も赤文字の決め台詞には「コイツは……!」とメチャクチャ期待していたらこの体たらくです。高畑京一郎を持ち上げるつもりはさらさらないのですが、こうなってくると、タイムリープの出来の良さが目立ちますね。

> 頭をすっきりさせて、それこそ来るかもしれない重い展開を念頭に置かずに読めたら、それが多分ベストな読み方になるんだろうなぁと思いました。

そうですね、何にも期待しなければ、批判には廻らなかった気がします。そこそこの地力は感じるので伸びて欲しい才能ではあります。

Medeski #- | URL | 2011/12/12 04:43 | edit
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