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第6回本屋大賞 8位:悼む人/天童荒太

悼む人
(あらすじ)
この人は誰に愛され、誰を愛していたでしょう。どんなことで感謝されたのでしょうか。人が亡くなった場所をめぐり、その死を悼(いた)む男、坂築静人。彼はなぜ、あらゆる死者を悼む旅を続けるのか。

answer.――― 65 点

結果として本作は八年ぶりの単行本となりました。とあとがきで報告しているように、ベストセラーとなった『永遠の仔』以来の著者の労作は、しかし、読まずに捨て置くが吉、とその辺の御神籤に一筆紛れ込ませたくなる一種の宗教本の様相を呈している。おそらく、著者自身も何を書いてしまったのか気づいていないだろうその内容は、縁も所縁も無い他人が身内を悼むことを是認させる洗脳が隠されている。人の死を取り扱う作品で気をつけて欲しいのは、日本人は確たる宗教観を持っていない事実、それでいて信心深い八百万の民であるという事実の二点である。アメリカナイズされたとはいえ、日本人は魂の存在をごく当たり前のように「在る」と刷り込まれる民族だ。故に、自分には視えない身内をさも「居る」ように悼まれたとき、そして、それを是認してしまったとき、新興宗教の扉が開かれてしまう。赤の他人が身内を悼む、現実にそんなことをされれば拒否感が出るものだが、本というツールで一度追体験してしまうと「非常識」への抵抗力を奪われてしまう……本作の問題はまさにそれ。作中、超「心優しい」設定の悼む人(NEET)はどこへ行っても新興宗教の人扱いされて、しっかり迫害されるが、当然、終盤では「悼む」その行為が人々に是認されていく。いやいや、―――ダメですよ、身内を赤の他人に悼ませては。という訳で、本作は発禁処分を受けるべき作品。終盤、悼む人にストーキングする女が頭のネジが外れて問答するカルト的描写(←著者、大真面目に書いたと思われる)があったが、本当、……作品を介して新興宗教を勧めるのは止めて欲しい。しつこく繰り返させて頂きますけど、―――ダメですよ、身内を赤の他人に悼ませては。

第6回本屋大賞 8位:悼む人/天童荒太

category: た行の作家

tag: OPEN 60点 天童荒太

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