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第16回ファンタジア大賞 佳作:ムーンスペル!!/尼野ゆたか

ムーンスペル!!
1.氷に囚われしは白き少女
2.どこへも続かない道
3.不思議な少女
4.噂は残酷なり
5.背中合わせで
6.夜の至高者
7.月呪
8.歩みたいと願う道

answer.――― 61 点

ライトノベルにかぎらず、大衆小説、文学にも当て嵌まることだが、公募賞への投稿を考えるワナビーに向けて、とりあえず、……と一度は贈られる「受賞作を読め!」なる助言レーベルの求める作風やらの「傾向」を掴むというのが主旨だと思うが、個人的にはワナビーから脱線し、プロの道へ奔った後にこそ贈りたい。それというのも、時代の変遷を、《お約束》の変化を体感するためだ。年を重ねると、時間を体感することは非常に難しくなる。いつの間にか置いていかれ、その事実を認め切れず、故にそれと知らず意固地になって、かのコテハンなフレーズ「最近の若い奴らは、……」を吐き出すのである。時間を体感すること、それが正しい意味での感性の現状維持を成り立たせる。受賞作を読め、というのは公募賞が概して1年に1回の期間を持つからだ。複数年に跨った受賞作群をまとめて読んだとき、自分が気づかずにいた《時の流れ》があったことを体感する。さて、前置きが長くなったが、本作は遡ること2004年、第16回ファンタジア大賞《佳作》受賞作……ながら、これはまた、驚くほどに「旧い」!本作で果たされていく《お約束》は90年代の遺物そのもの。現在のライトノベルの《お約束》を漠然と把握している人は、本作を読んで、過去と現在の《お約束》の変化を実感するのも良いだろう。ストーリーラインは、おちこぼれの詠唱士が謎の美少女を拾い、……の巻き込まれる物語。驚く展開は皆無ながら、幼女を含んだ90年式の「ハーレム」がほのぼのとした日常を演出している。個人的に、おっ……と目を惹いたのが終盤に脇役の生徒の視点を挿し込んだ点。唐突ではあったが、JS(?)幼女の視点は今でも珍しいので新鮮に映った。この子を主役にすればモダンに感じるんじゃないだろうか?何にせよ、2004年というライトノベルの転換期に、本作へ《佳作》を与えた“ヤラカシ”編集部に喝!

第16回ファンタジア大賞 佳作:ムーンスペル!!/尼野ゆたか

category: あ行の作家

tag: ファンタジア大賞佳作 OPEN 60点 尼野ゆたか

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