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第6回ファンタジア大賞 大賞:神々の砂漠 風の白猿神/滝川羊

風の白猿神
1.封印の遺跡
2.眠り姫
3.剣王
4.シータ
5.ハヌマーン顕現
6.収容
7.模擬選
8.独立都市ウォーレン
9.ロマンシング・ヤード
10.戦域
11.蹂躙する力

answer.――― 73 点

名前は耳にすれども読んだことのない作家、作品は、誰しもその頭蓋の内に数多あるものだが、歴史薫り始めたファンタジア大賞において、まさに知る人ぞ知る―――否、知る人は「ああ、あれねえ……」と首を振って懐かしむ作家、作品と云えば滝川羊、本作『風の白猿神 神々の砂漠』おいて他に無いだろう。《大賞》作、ファンタジア大賞では第6回の本作を最後に、第14回の『12月のベロニカ』まで8年間の長きに渡り、その冠を授かる作品は現れなかった。いいや、その『12月のベロニカ』さえ《大賞》に相応しくない、とやんやの野次を飛ばされていたことを考えれば、実質、ファンタジア大賞にとって「最後」の《大賞》作こそ本作なのだ。本作に付き纏うゴシップはおよそ破格である。投稿作でありながら「完結しておらず」、しかも、滝川羊は本作以降「出版していない」、ついに続刊!の報が流れるも結局流れ、しかし未だ続刊を望むファンは多い。そんなこんなで、耳にすれども……な本作をとうとう手に入れて、目を通してみれば、―――困った、「面白い」。勿論、旧さはある。個を突き詰めていった現在のライトノベルからすれば、三人称による硬めな言葉並ぶ序盤はある種の試練だろう。登場人物のパーソナリティもまた、薄味で淡泊にさえ映るに違いない―――が、しかし。神話の神々を合法的に登場させる<神格匡体>を始めとしたアイディア、尻上がりに奥行きを出していくストーリー、終盤に展開される多勢に無勢は今なお多くの作家が解っちゃいるけど演出出来ない《お約束》的カタルシスを成立させる方程式だ。旧い、しかし、それでも通る事実。言うなれば、本作は《古典》だ。旧さを除くだけで新しく映える骨格がある。もっとも、大多数の人にとってその旧さを覆す魅力を見い出すには目を瞑らなければならない場面(特に前半)も多く、上述のゴシップの真偽を査定するつもりで読むのが一番楽しめる読み方だろう。個人的には、「オ、オーロラだあ!?」などの次場面との繋ぎの小技にいちいち唸らされました。あれらは事実上の「転」、その予告です。何気に凄いテクニック(・3・)イッカスゥ~♪

第6回ファンタジア大賞 大賞:神々の砂漠 風の白猿神/滝川羊

category: た行の作家

tag: ファンタジア大賞大賞 OPEN 70点 滝川羊

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