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第13回ファンタジア大賞 佳作:西域剣士列伝 天山疾風記/松下寿治

天山疾風記
1.烏孫公主
2.赤谷城
3.虎狼相闘
4.詔旨
5.決戦前夜
6.天女散花

answer.――― 70 点

中国は前漢、西域を舞台にしている本作は、主人公を始め、脇役から敵役まで実在の人物を配する。前漢はまだしも、「西域」という単語で「陳湯」を連想出来る人はなかなかの歴史ヲタだと思うが、本作はその「陳湯」を主役に配し、「西匈奴」郅支単于を討つ史実を基にしたストーリー。史実を基にした、といっても脚色(ヒロインは創作、仲間は実在するも接点無し等)は当然してあり、あくまで基にしているだけ……なのだが、これを読めば教科書に載れども捉えきれない匈奴周辺(烏孫、大苑、大夏、大月氏等)がシナプスに引っ掛かるようになる意味で、ライトノベル好きの世界史専攻者(U-17)にはお薦めだ。文章を含め作品としてのクオリティは上々で、史実を織り交ぜながらの進行もスマート。ただ、そんなライトノベルらしくない本格派な事実も、西域というマイナーな題材、時代感じる表紙と重なって敬遠したくなるのも否定出来ない。本作における脚色はライトノベラーのために施されているのだが、故に歴史小説には成れず、しかし当のライトノベラーからは……と、シーズとニーズがイマイチ合致しないのが哀しい。本作の個人的MVPは、甘延寿。脇にも関わらず、終盤も終盤で挿し絵一枚、まるまる頂戴されるだけあるサプライズ的演出は、著者にJOKERの切り方を教えられた気分に陥る。何にせよ、ライトノベル的歴史小説、その脚色の限界/限度について考えさせられる一冊。ところで、巻末でどこかピントのズレた「解説」を披露してくれるファンタジア文庫編集部を、私は「ヤラカシ!ヤラカシ!」 と囃し立てているが、ナンダカンダで(……今回はどんなことをやらかすんだろう?)と楽しみにしているのだが、本作のあとがきは案外にまともで一抹の寂しさを覚えました。「解説」ってやっぱり、わざとああいう風に書いてたのかしらん?

第13回ファンタジア大賞 佳作:西域剣士列伝 天山疾風記/松下寿治

category: ま行の作家

tag: ファンタジア大賞佳作 OPEN 70点 松下寿治

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