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第18回電撃小説大賞 選考委員奨励賞:ミニッツ 一分間の絶対時間/乙野四方字

ミニッツ
1.二人のお母さん
2.馬鹿と天才ゲーム
3.タイムリミット
4.欠片
5.お母さんの歌

answer.――― 64 点

電撃小説大賞において最も低「格」に置かれる選考委員奨励賞、その受賞作―――と云えども侮るなかれ。電撃小説大賞、今やその応募総数(長編)は5000に迫り、他のライトノベルレーベルの追随を許さぬ業界随一の競争率、その受賞者、受賞作なのだから、それこそ(他の公募賞ならば、あるいは大賞……)と著者自身の天狗な邪推さえ許される状況にあると言って過言無い。事実、この第18回にわらわらと集った3000超のライバルたちを蹴落としたクオリティが本作にはある。が、―――トリックとロジックが交錯する、学園騙し合いラブストーリー!というまとめ方をされるストーリー自体は正味な話、どうでも良い出来で、それこそ他の公募賞でも落選の憂き目に遭って何ら不思議無い。本作が勝ち抜けたのは、ひとえに女性キャラクターの造形、何より冒頭から中盤までの一連の登場の演出にある。概して主要登場人物は一箇所、例えば「教室」「部室」「登下校」といった一空間一場面で顔見せし、その後に個別に紹介するのがセオリーだが、本作では一人ずつ丁寧に出し、その癖、どれもアトラクション的なのが素晴らしい。ベッドの中、不意突く(偽)告白、女子トイレの中、……といった具合だ。特に女子トイレ場面は満を持してのお色気巨乳キャラ「相ヶ瀬茉莉」が挑発な対面座位で主人公・相上櫻のリトル櫻をおっ勃て共に赤面する、艶やか~!な描写で、これは秀逸の一言に尽きる。が、残念ながら作品としてのピークがこの場面になってしまったのは頂けないところ。これ以降は、「はは、うはは、うはははははははははは」「ふふ、うふふ、うふふふふふふふふふふ」の著者ゴリ推しの天丼なやり取り以外に見所は無く、肝であるはずの作中ゲーム「馬鹿と天才ゲーム」の肩透かしを始め、ストーリーメイクの修練が足りないことを露呈している。主人公の仄暗い過去も扱い切れておらず、その辺にシリアスへの不適も見受けられる。……と貶めているが、個人的に著者へ大いに可能性を見い出していることがある。それは上述でも言及しているが、コメディ―――否、ピンク適性。著者自身は全く納得出来ないだろうが、(ライトノベル的)エロ本を書く才能がある。対面座位で淫靡に挑発する女(巨乳)が、いざ勃起されたら赤面?―――アンチヒーローとさえ心の内で歌舞く主人公が己の勃起に焦って、慌てふためくクールな童貞に変身?―――ファンタジー、これ、立派なファンタジーじゃねえか!?―――ライトノベルにはエロ本としての側面がある。気づけ、乙野四方字。お前には、―――エロ本を書く才能がある!

第18回電撃小説大賞 選考委員奨励賞:ミニッツ 一分間の絶対時間/乙野四方字

category: あ行の作家

tag: 電撃小説大賞選考委員奨励賞 OPEN 60点 乙野四方字

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