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第23回日本ファンタジーノベル大賞 大賞:さざなみの国/勝山海百合

さざなみの国
(あらすじ)
このままでは愛する村が滅亡する―――未来を悟ったとき、少年さざなみは旅立った。執拗に続く謎の襲撃、馬を愛する王女・甘橘との遭遇、剣の使い手の美少女・桑折との奇縁。やがて巷に死病が流行したとき、さざなみの身体に潜む不思議な力が人びとの運命を一変させていく。

answer.――― 74 点

第1回の『後宮小説』、第18回の『僕僕先生』の両大賞作に続く大陸を題材にした大賞作。しかしながら、総じて喝采を浴びた両作品と違い、「キャラが無い」「葛藤が無い」とおよそ大賞作に向けられる言葉とは思えない言葉を投げられながら、将来性を買って……なる消極的な推薦での授賞は何とも賞に対して無責任に思えるが、いざ一読しての感想は、―――これ、ストーリーを読ませる類のものでは元よりないのでは?と。村を救うため、少年は旅に出る!という出だしから手に汗握る、あるいは、心〆めつけられるファンタジーを期待するのは分かるが、静かに作品世界を説いていく様からも本作が感情を揺れ動かすような作品ではなく、物語ある作品世界の景色を望む耽美的な作品なのが分かる。そうと分かれば、王女・柑橘、女武芸者・桑折のダブルヒロインの、さざなみを介した事実上の三角関係に嫉妬が雑じらない造りも評価すべきだ。加えて、終盤の桑折の「子」への感情のタガが外れた出来事もただただ美しく映る。本作はまとめれば癒しの物語。村が緩やかに滅んでいき、そうして、読み手もその村を忘れた頃に救われる不思議な展開が何とも魅力的だ。ただ、まあ、……《大賞》である必要性は無いわな。受賞に関して、選考委員たちのサービスがあるのは事実でしょう。

第23回日本ファンタジーノベル大賞 大賞:さざなみの国/勝山海百合

category: か行の作家

tag: 日本ファンタジーノベル大賞大賞 OPEN 70点 勝山海百合

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