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第13回ファンタジア大賞 佳作:ラッシュ・くらっしゅ・トレスパス!/風見周

ラッシュ・くらっしゅ
1.究極貧乏→犯罪スレスレ?
2.吸血鬼との日常→仲間になれる?
3.侵入作戦→コレって恋?
4.信じる心?→やがて通じる?
5.ヴァイス襲来→マナの裏切り?
6.秘密の約束→ヴァイス突入?
7.危機つぐ危機→大団円?

answer.――― 62 点

本作受賞時にはすでにライターとして生計を立てていた(らしい)風見周のデビュー作は、例によって出版当時の大流行、ヴァンパイアを導入するなど、あざとく仕上げてきた一作―――と切って捨てようと思うも躊躇してしまうのは、著者のあとがきの後に貼りつけられる名物“ヤラカシ”編集部の解説(ver.改稿顛末)を読んでしまったため。これを読めば、本作の異様なまでのボリューム、そして、「……ほへ?」と首傾げたくなる迷展開が何故に出来上がったのか解けるだろう。ストーリーラインは警備体制の穴を探す侵入屋トレスパスが相次ぐ失敗で経営難に陥り、一発逆転を賭けて、禁じられた怪物ヴァンパイアを復活させての立て直しを図る!というものなのだが、……そのはずだよね?と思わず確認を取りたくなる「……ほへ?」展開に呆然となることは必至だ。巷のレヴューでも言及されている終盤の「取って付けた」ような飛行機レース、同時進行の空賊乱入劇は、もはや読み手というよりも「作品」それ自体に対する背信にさえ映るが、上述の“ヤラカシ”による解説で真実の扉は開かれる。どうやら、マジで「取って付けた」らしい。それは《飛行機レース》なのか、《空賊乱入劇》なのかは解らない。あるいは、もっと根本的な部分を変更したのかも知れない。しかし、風見周がデビューすべく媚びに媚びまくったのは間違いないだろう。それくらい読んでいると「……ほへ?」ってしまう。序盤のコミカルな乱戦、団らん、そこから主人公マナへ絞っていく様は堂に入ったもので、雑多な情報を整理出来る筆力、侵入屋なる職業は隙間なアイディアとして評価したくなるところ。がしかし、如何せん、己の筆力を頼みに編集者の要求に応え過ぎると作品がパンクするという見本のような一作。あまりに従順過ぎて、(……編集も責任取れなくなったんだろうなぁ)と察せさせる「これで行きましょう!」という解説の一文が何気に本作で一番行間を読ませてくれる。

第13回ファンタジア大賞 佳作:ラッシュ・くらっしゅ・トレスパス!/風見周

category: か行の作家

tag: ファンタジア大賞佳作 OPEN 60点 風見周

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