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第1回ラノベ好き書店員大賞 4位:東雲侑子は短編小説をあいしている/森橋ビンゴ

東雲侑子は短編
(あらすじ)
何事にも無気力、無関心な毎日を過ごす高校生、三並英太。楽そうだからという理由だけで図書委員になった彼は、ともに委員を務める東雲侑子の熱のない静けさに、自分の空虚さに似たものを感じていた。しかし偶然彼女の秘密を知ってしまったことから、自分との違いを思い知らされる英太。だが、その秘密のために、彼女と距離を縮めることとなり、失ったはずの感情に胸を締めつけられていく……。

answer.――― 72 点

小説家のみならず、ゲームシナリオライター、漫画原作者と多角に創作活動を展開する森橋ビンゴ。本作は2013年度の「このライトノベルがすごい!」において第8位にランクインされたように、名実ともに森橋ビンゴの代表作となった「東雲侑子」シリーズ、第一弾。その概要は、少し冷めた高校生・三並英太が、感情表現乏しいクラスメイト・東雲侑子が作家と知ったことから始まる「擬似」恋愛劇―――と並べずとも、本作は作中のたった一文で表せる―――《俺は、東雲侑子の事が好きなのだ。》。「東雲侑子」シリーズは言うなれば、ライトノベルではなかなかお目に掛かれない、作中の一文を長編にする(創作するスタイルの)作品で、続刊、『東雲侑子は恋愛小説をあいしはじめる』では《本当に俺は東雲が好きなのか?》、『東雲侑子は全ての小説をあいしつづける』では《少なくとも俺は、東雲の事を心から好きだと言える。純粋に。》、とまとめられる。この手の「一文で表せる」作品は著者自身がテーマを完璧に把握出来るため、ブレずに描ける半面、拡がりに欠けるデメリットを負う。本作でも、ラブホテルに入る、というライトノベルだからこそ映えるサプライズが一点あるのみで、それ以外は《俺は、東雲侑子の事が好きなのだ。》に辿り着くまでの何てことはない、平坦な過程が描かれるのみとなっている。しかしながら、それがライトノベラーの心を打つのは「作中の一文を長編にする」作品を読んだことが無いからだ。この手の創作スタイルは、概して大衆小説で採られるのである。「面白い」イヴェントは少ないものの、本作は「創作手法」の面からライトノベルと大衆小説のクロスオーバーを試みた良質の一作。良いんじゃないでしょうか。ちなみに、あとがきとか読むと一文デ表セルッテ…( ´,_ゝ`)プッ!後付けワロス!と思うかも知れんが、これ、そういう作品だから。著者がシリーズの表題に自画フムフムしている時点で、発想が《言葉》から始まってる(囚われてる)じゃん。まあ、分からねえ奴には分かんねえだろうけど、そういう奴はそういう作品創っちゃうんだよーん。

第1回ラノベ好き書店員大賞 4位:東雲侑子は短編小説をあいしている/森橋ビンゴ

category: ま行の作家

tag: OPEN 70点 森橋ビンゴ 「東雲侑子」シリーズ ラノベ好き書店員大賞

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