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第5回本屋大賞 2位:サクリファイス/近藤史恵

サクリファイス
1.チーム・オッジ
2.ツール・ド・ジャポン
3.南信州
4.富士山
5.伊豆
6.リエージュ
7.リエージュ・ルクセンブルク
8.惨劇
9.喪失
10.サクリファイス

answer.――― 82 点

《自転車ロードレース》を題材とした実(げ)に珍しいスポーツ小説の上に、―――ぼくに与えられた使命、それは勝利のためにエースに尽くすこと、なんて紛うことなき「脇役」を主役に配すアウトローな出だしから面食らうだろう本作。しかしながら、読み進めていくとこの「型」が実に腑に落ちる。マイナー競技を扱う際、まず気を配るのはその競技の説明だと思うが、そこからエンターテイメントとして成立させるために重要なのは、その担い手たちにつける優劣―――つまりは《何が凄いのか》を伝えることだろう。その観点からすれば、作中、主人公が練習で山を登る場面が著者の施した本作最大の演出場面。《何が凄いのか》の前段階、(読み手自身が)《出来るか否か》を一考させてくれるこのシーンが有るのと無いのとでは作品のその後の印象がガラリと変わるはずだ。マイナー競技をしっかりと宣伝出来ている。さて、そんな形で本作は、序盤、中盤と脇役の主人公を通して「脇役」を必要とする《自転車ロードレース》を不足なく紹介するが、終盤に「転」的アクシデントを起こして推理小説に着地する変則的な構成も見物。残り頁数的にやや唐突にも映るが、お買い得なサプライズには違いない。エンターテイメント作品として「整った」好作。楽しめました。ところで、私はなかなかにBitchと縁があるらしく若干の女性不信の気が元よりあるのですが、本作のヒロインも(……ロクでもねえな)と心から思い、さらに女性不信が深まりましたことをここに付け加えさせて頂きます。

第5回本屋大賞 2位:サクリファイス/近藤史恵

category: か行の作家

tag: OPEN 80点 近藤史恵

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